大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和49年(オ)796号 判決

主文

理由

上告代理人柏原晃一、同能登文雄の上告理由について。

原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、被上告人の訴外宮島逸三に対する本件土地建物の登記済証書の作成依頼が民法一一〇条の表見代理が成立するために必要とされる基本代理権の授与にはあたらないとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はなく、所論引用の最高裁判所昭和四五年(オ)第三〇五号同四六年六月三日第一小法廷判決・民集二五巻四号四五五頁は、事案を異にし本件に適切ではない。論旨は、採用することができない。

(裁判長裁判官 岸上康夫 裁判官 藤林益三 裁判官 下田武三 裁判官 岸 盛一 裁判官 団藤重光)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例